火葬炉の基本構造

化学反応としての燃焼には複雑な要素がありますが、ここでは有機物(動物遺体)の燃焼を簡略に説明します。有機物の固体や液体に熱を加えると揮発分(熱分解ガス)が生成されます。主に発生するガス組成は炭化水素分子です。受熱による揮発分(熱分解ガス)と空気中の酸素が反応すると炎になります。良好に反応すれば排煙は無色透明無害になります。

動物遺体をバーナーで熱すると揮発分(熱分解ガス)が生成されます。着火温度以上の熱分解ガスの中を貫通するように火葬室炉壁の両側から空気を噴射して空気中の酸素と熱分解ガスを反応させます。ただし、熱分解ガスは着火温度以上である間に酸素を供給しなければ燃焼しません。噴射空気は多すぎたり強すぎたりすると温度低下を招き不完全燃焼になります。逆に弱すぎれば炎の外側をなぞるだけで酸素は有効に使われません。良好な燃焼のためには噴射空気の酸素を有効に適切な位置に拡散到達させなければなりません。これらの燃焼反応条件が整わないと不完全燃焼になったり、炭化水素の燃えやすい水素だけが先に燃焼してしまい残された炭素が煤や黒煙となってしまいます。完全燃焼後のガス組成の大部分は二酸化炭素・窒素・酸素・水蒸気です。それらは周りにある空気と同じ気体成分なので無害です。噴射空気の(風圧)(風量)(風速)は各燃焼ゾーンの役割に合わせて適切な位置に設定しなければなりません。これがOSADA式ペット火葬炉の基本構造です。揮発分が燃焼した後に残るのは固定炭素(炭)と遺骨です。揮発する炭素と違い揮発しない固定炭素の燃焼は表面燃焼です。この酸化反応は火移りしながらゆっくり進み時間がかかり、後は灰分になります。この表面燃焼時にも適切な噴射空気の供給が重要です。きれいな遺骨を残すにはこの時間のかかる表面燃焼をきちんとしてください。

二次室(再燃焼室)にはサイクロン集塵構造を内蔵しています。質量の大きな煤塵は火葬中に煙突に吸い込まれることなくサイクロン気流の遠心力により内部の円柱の外周を回り続けます。そして火葬終了時に重力集塵により煤塵は回収されます。無煙焼却炉を含めて2,500台以上を販売してきたOSADAの実績が製品の技術力と高品質を証明しています。

火葬室内で完全燃焼させずに揮発分(熱分解ガス)を二次室に導いて、再度バーナーの熱と空気を供給して燃焼反応させるのが二次燃焼(再燃焼)です。これは他社で多く採用されている炉の構造です。しかし、二次室に着くまでに揮発分(熱分解ガス)の温度は低下してしまいます。果たしてそれは合理的なのか?また再燃焼用の空気は適切に供給されているのか?大部分の炉では二次室にバーナーはあっても再燃焼用の空気の供給を適切にしている例は少ないようです。

出来る限り動物遺体だけを火葬してください。
難燃性物質を含んだプラスチックや接着剤を使用している木材を一緒に火葬しないでください。代表的な物質は塩素を含んだ塩化ビニールなどのプラスチックです。
熱分解によって発生したガス煙には塩素が含まれます。塩素は酸素とは反応しないで水素と反応して有毒な塩化水素になります。それに炭素が反応して一部が有機塩素化合物ダイオキシンになります。猛毒です。これらは重い気体です。 重い気体ですが少しずつ他のガス煙と一緒に排出されます。しかしその多くが火葬室内に停滞します。それは酸素と反応しない燃えない気体です。なので、それらの気体が火葬室内に停滞していると燃焼反応が適切に行われずに燃焼室内の温度を低下させたり不完全燃焼させたりします。結果的に有毒で悪臭のあるガス煙が排出されてしまいます。

●【固定炭素】

木材を酸素のない状態で熱する(燃焼させない)と揮発分(熱分解ガス)だけが排出されて残ったものが固定炭素(木炭)です。完全に揮発分が抜けた木炭は炎が出ません。表面燃焼で火移りしながらゆっくりと安定した熱を発生し続けます。なので焼き鳥などには適しています。気を付けなければいけないのが建築廃材などを利用して揮発分が残っていて炎が立つ不完全な木炭です。揮発分の中には有害な成分が含まれている場合もあります。バーべキューなどに利用する際は気を付けましょう。良質な炭は炎が出ません。

OSADAの技術を継承

弊社は動物火葬炉の製造販売業務を【OSADA】から引き継ぎました。OSADAの燃焼技術による無煙火葬炉や無煙焼却炉は「屋久島の焼却処分場」への納品を含めて2,500基以上の納品実績があり、消防士の命を守る「濃煙熱気実火災訓練設備」にもOSADAの技術は使われています。

この火葬炉は屋内への設置にも移動火葬車にも使えます。

移動火葬車の無煙火葬テスト

マンションの前で火葬をしています。この移動火葬車には二次室がありませんが無煙です。

ペット火葬炉(税別、ローン承ります)

30型

詳細

火葬能力~30kg/1回
巾×奥行×高550×900×450mm
火床面積0.495m2
容積0.22m3
乾燥総重量700kg
適用車両 (参考車両例)ハイエース
必要電力1500W以上 

費用

炉価格(工場渡し)2,800,000円
天井のある車輛へ
乗せる場合の工事費
150,000円
屋内への設置要お見積り

発電機は付属していません。余裕ある機種をお選びください。

火葬炉を荷物のように積み下ろしができる状態でトラックの荷台などに載せて使用する場合は、車両の構造変更の手続きが必要ない場合があります。関係機関にご確認ください。

サイクロン集塵機内蔵型の火葬炉はお問い合わせください。

※断りなく、仕様変更する場合があります。ご了承ください。

集塵機付きペット火葬炉

小鳥から大型犬まで複数バーナーだから適切な火葬ができます。

バーナーは上下移動式なので適切な火葬ができます。

火葬終了後は送風機を全開にして外気を炉内に吹き込み冷却運転。

屋外に設置しても十分な耐久性があります。

イノシシやシカなどの野生動物にも。

架台の上に火葬炉を設置することもできます。ご相談ください。

炉前スッキリ仕様。台車用レールは着脱式にもなります。

火葬用台車の形状や材質もご相談に応じます。
(この写真はステンレスの受け皿を台車と一体構造にした参考例です)

単体集塵機付きペット火葬炉価格表(税別)

型式火葬能力火葬室内寸法重量価格(税別)
設置-45~45kg/1回巾650×奥行1200×H500mm3000kg6,000,000円 
設置-60~60kg/1回巾700×奥行1300×H560mm4000kg6,500,000円 
設置-80~80kg/1回巾775×奥行1700×H620mm5000kg7,000,000円 

運搬据付及び試燃立合費は別途お見積り

断りなく、仕様変更する場合があります。ご了承ください。

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